デザイン・芸術系大学でAIを活用する上で大切なこと(ChatGPT編)

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この記事のねらい

デザインや芸術を学ぶ大学生が ChatGPT を “相棒” として活用するコツを
1. 基本的な使い方(会話術)
2. デザイン/アート領域の具体的な活用例
の 2 本立てでまとめます。授業設計にかかわる教職員の方にも応用しやすい内容です。


1. ChatGPT 基本ガイド ― 会話を設計する 4 ステップ

ステップ何をする?なぜ効率的?ひとこと例
① ゴールを宣言最終成果・トーン・分量を先に書くAI が “迷子” にならないA4 1枚で要約を作成して
② 文脈を渡す背景・対象読者・制約を具体的に共有回答の精度が跳ね上がる読者はプロダクトデザイン専攻の 3 年生
③ 対話を刻む長い要求はタスクを小分けにフィードバックループで質が上がるまず参考文献だけリスト化 → 次に要約
④ 検証+深掘り出力を批評しながら再質問・比較“新しい発見” を引き出せる別視点を 3 つ追加して/根拠を示して
TIP|役割指定
「あなたはインテリア雑誌の編集長です」など ロール(役割) を渡すと、文体や推奨内容が一気に専門的になります。
TIP|プロンプトのリファクタリング
仕上がりがいまひとつなら “この回答を元に最適なプロンプトを書いて” と頼むと、自分の質問の質そのものを磨けます。

よく使う Markdown 記号(Quick Reference)

記号用途基本形出力イメージ
#見出し# 大見出し
## 中見出し
大見出し / 中見出し
-箇条書き- アイデアA• アイデアA
1.番号付きリスト1. 手順A1. 手順A
>引用> 参考文献…参考文献…(字下げ)
**…**太字**強調**強調
*…*斜体*用語*用語
`…`インラインコード`print()`print()
``` ```コードブロック
print("Hi")
枠付きコード
---水平線---
[テキスト](URL)リンク[公式サイト](https://example.com)公式サイト
Markdown 記号のまとめ
Markdown を覚える = 情報デザインの基礎練習
・記号で「枠組み」を示すと、ChatGPT も読み手も迷わない。

2. デザイン/芸術領域での活用アイデア

シーン使い方学生のメリット教員のメリット
1) ブレインストーミング制作テーマや企業課題を入力し、キーワードを拡散“ネタ切れ” 防止・視点の拡張授業冒頭のアイスブレイクに最適
2) ペルソナ & カスタマージャーニー生成ターゲット属性を渡して自動生成体験設計演習が加速雛形を即時配布しフィードバックに集中
3) 色彩提案作品の感情トーンを伝え、Hex 値+配色理由を取得Adobe ツールとの行き来がスムーズ講評時に“色の根拠”を提示しやすい
4) リサーチ要約論文やレビューの URL/本文を貼り要約文献サーチの時短予習資料を素早く作成
5) 生成コード(p5.js / Processing)「音に反応するビジュアルアートを作りたい」など仕様を渡すプロトタイプを即テスト → 改良完成例を提示しやすい
6) コンセプトステートメント添削日本語 → 英語、ビジネス向けにリライトポートフォリオの多言語化留学書類のレビューコスト削減
7) 作品講評シミュレーション作品画像+意図を入力し、批評ポイントを抽出講評前のセルフチェック習慣評価ルーブリックの草案を自動生成
8) 展示プラン作成会場条件 → ゾーニング案+タイムラインを生成企画書の骨子が早く固まるプロジェクト進行管理を可視化

まとめ ― AI × クリエイティブの学び方

  1. 会話を設計する = デザインと同じプロセス
    ゴール設定 → コンテクスト共有 → プロトタイプ(回答)→ 改善のループ。
  2. “批評する力” が価値を決める
    出力をうのみにせず、自分の審美眼で評価・編集する姿勢が創造性を伸ばす。
  3. 教員は “問いをデザインする人” へ
    ChatGPT が下準備を肩代わりする分、講義内では対話的・実践的活動に時間を割ける。
Let’s Try!
次回ミーティングまでに 10 分だけ ChatGPT で “問いを磨く対話” をしてみてください。
AI はあなたの想像力のスケッチブックになります。