デザイン・芸術系大学でAIを活用する上で大切なこと(ChatGPT編)
note版:https://note.com/sakaiso/n/n66d2a1b6eb49?sub_rt=share_pw
この記事のねらい
デザインや芸術を学ぶ大学生が ChatGPT を “相棒” として活用するコツを
1. 基本的な使い方(会話術) と
2. デザイン/アート領域の具体的な活用例
の 2 本立てでまとめます。授業設計にかかわる教職員の方にも応用しやすい内容です。
1. ChatGPT 基本ガイド ― 会話を設計する 4 ステップ
ステップ | 何をする? | なぜ効率的? | ひとこと例 |
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① ゴールを宣言 | 最終成果・トーン・分量を先に書く | AI が “迷子” にならない | A4 1枚で要約を作成して |
② 文脈を渡す | 背景・対象読者・制約を具体的に共有 | 回答の精度が跳ね上がる | 読者はプロダクトデザイン専攻の 3 年生 |
③ 対話を刻む | 長い要求はタスクを小分けに | フィードバックループで質が上がる | まず参考文献だけリスト化 → 次に要約 |
④ 検証+深掘り | 出力を批評しながら再質問・比較 | “新しい発見” を引き出せる | 別視点を 3 つ追加して/根拠を示して |
TIP|役割指定
「あなたはインテリア雑誌の編集長です」など ロール(役割) を渡すと、文体や推奨内容が一気に専門的になります。
TIP|プロンプトのリファクタリング
仕上がりがいまひとつなら “この回答を元に最適なプロンプトを書いて” と頼むと、自分の質問の質そのものを磨けます。
よく使う Markdown 記号(Quick Reference)
記号 | 用途 | 基本形 | 出力イメージ |
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# | 見出し | # 大見出し
## 中見出し | 大見出し / 中見出し |
- | 箇条書き | - アイデアA | • アイデアA |
1. | 番号付きリスト | 1. 手順A | 1. 手順A |
> | 引用 | > 参考文献… | 参考文献…(字下げ) |
**…** | 太字 | **強調** | 強調 |
*…* | 斜体 | *用語* | 用語 |
`…` | インラインコード | `print()` | print() |
``` ``` | コードブロック | print("Hi")
| 枠付きコード |
--- | 水平線 | --- | |
[テキスト](URL) | リンク | [公式サイト](https://example.com) | 公式サイト |
Markdown 記号のまとめ
・Markdown を覚える = 情報デザインの基礎練習。
・記号で「枠組み」を示すと、ChatGPT も読み手も迷わない。
2. デザイン/芸術領域での活用アイデア
シーン | 使い方 | 学生のメリット | 教員のメリット |
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1) ブレインストーミング | 制作テーマや企業課題を入力し、キーワードを拡散 | “ネタ切れ” 防止・視点の拡張 | 授業冒頭のアイスブレイクに最適 |
2) ペルソナ & カスタマージャーニー生成 | ターゲット属性を渡して自動生成 | 体験設計演習が加速 | 雛形を即時配布しフィードバックに集中 |
3) 色彩提案 | 作品の感情トーンを伝え、Hex 値+配色理由を取得 | Adobe ツールとの行き来がスムーズ | 講評時に“色の根拠”を提示しやすい |
4) リサーチ要約 | 論文やレビューの URL/本文を貼り要約 | 文献サーチの時短 | 予習資料を素早く作成 |
5) 生成コード(p5.js / Processing) | 「音に反応するビジュアルアートを作りたい」など仕様を渡す | プロトタイプを即テスト → 改良 | 完成例を提示しやすい |
6) コンセプトステートメント添削 | 日本語 → 英語、ビジネス向けにリライト | ポートフォリオの多言語化 | 留学書類のレビューコスト削減 |
7) 作品講評シミュレーション | 作品画像+意図を入力し、批評ポイントを抽出 | 講評前のセルフチェック習慣 | 評価ルーブリックの草案を自動生成 |
8) 展示プラン作成 | 会場条件 → ゾーニング案+タイムラインを生成 | 企画書の骨子が早く固まる | プロジェクト進行管理を可視化 |
まとめ ― AI × クリエイティブの学び方
- 会話を設計する = デザインと同じプロセス
ゴール設定 → コンテクスト共有 → プロトタイプ(回答)→ 改善のループ。 - “批評する力” が価値を決める
出力をうのみにせず、自分の審美眼で評価・編集する姿勢が創造性を伸ばす。 - 教員は “問いをデザインする人” へ
ChatGPT が下準備を肩代わりする分、講義内では対話的・実践的活動に時間を割ける。
Let’s Try!
次回ミーティングまでに 10 分だけ ChatGPT で “問いを磨く対話” をしてみてください。
AI はあなたの想像力のスケッチブックになります。
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